「『学校』という場所から」が示すもの ―子どもの「健康と安全」を保障するとは何を意味するのか?―

政府の要請による一斉休校措置から早くも3週間がたちました。この間、急遽実施された休校措置のもとで、学校現場から混乱と様々な弊害が報告され、そのための対策も模索されてきました。また、休校措置を取りやめ、学校を再開する自治体もみられるようになり、各地域、学校では子どもたちのために何をなすべきかが依然として活発に議論されています。本サイトでも、休校措置が行われた学校現場から、山﨑洋介教諭内藤修司教諭からの二つのコラムが掲載されています。これらのコラムを拝読して、私が考えるのは、新型コロナウィルスへの対策が学校全体として求められるなかで、子どもたちの「健康」や「安全」を守ることとはいかなることなのか、が鋭く問われているということです。

2月27日に行われた安倍首相による学校の一斉休校要請においては、「何よりも、子どもたちの健康・安全を第一に考え、多くの子どもたちや教員が日常的に長時間集まることによる大規模な感染リスクにあらかじめ備える」ということが大義名分とされていました。この子どもの「健康と安全」とは何を意味するのか?各地域、学校の実状にみるならば、そこでは、生物学的、身体的な意味での「健康と安全」が優先され、各地域の教育委員会の指示のもと、子どもたちがウィルスに感染しなければ是であるかのような措置が多くの場所で行われています。一方、一斉休校に伴う弊害の一つとして、貧困家庭の子どもの食事や栄養をめぐる問題が取りざたされるなか、各地域、学校では給食を継続する試みも広がりつつあります。

たしかに、ウィルス感染対策は重要であり、子どもたちの栄養補給は欠かせません。これらを実施することは、感染症を拡げないという取り組みとして、社会的に重要な意義があるし、現状においてやむをえない側面もあります。しかしながら、これらの対応は、やはり、子どもたちの生物学的、身体的な「健康と安全」に特化したものであり、あくまで子どもたちをウィルスに感染させず、栄養を補給しておくことに焦点が置かれています。